| ○女性 |
巣に卵がある時、勝手にカラスの巣を壊してはいけないのはなぜ?
|
| ●松田 |
「鳥獣保護及ビ狩猟ニ関スル法律」で、カラスを含むすべての鳥を殺 すことは禁じられているから。巣に卵か雛がいるときは、都道府県の自然保護 担当課(東京都の場合は林務課)に許可を取る必要がある。しかし、この法律は 昭和38年に制定されたもので、そのころは増えすぎた動物をどうするかいった ワイルドライフ・マネージメントの理念はまだなかった。あの頃から環境は激 変しているので、今や時代遅れの法律である。しかし、「カラスを獲っていい」 と許可したとき、何羽くらいとっていいのか誰にもまだわからないし、また、 「カラスが獲っていいなら他の鳥もいいじゃないか」という意識が広まる可能 性に対しての懸念があるので改正と運用には慎重にならざるをえない。
|
| ○女性 |
カラスをむやみに駆除しても周りの地域から入ってくるから問題解決にはならない。そういった啓蒙活動や、都会のカラスの繁殖情報などの研究に 対する行政の取り組みはどのくらいされているのか?
|
| ●松田 |
行政の取り組みは今のところ微々たるもの。東京都だけでなく、周辺の地域も含めて対処していくべき。行政は苦情が出ると、住民感情を和らげる ために形だけの駆除を行っている。本当の問題解決は、原因のゴミ問題を解決 することが必須。
|
| ○男性 |
カラスの料理屋さんを始めたいのだが。
|
| ●松田 |
カラスの肉は食べられるが、臭いらしい。韓国の文化放送の人は「ソウルにはカラスはいない」といっていた。よく聞くと韓国ではカラスは漢方薬 (精力剤)となるため獲られてしまったそうだ。日本では、ハンターが獲った カラスを仕入れれば、法的には可能かもしれない。しかしわなだと一日あたり 約3羽しかかからないという報告もあり、安定供給は難しいのではないか。
|
| ○男性 |
カラスの寿命は8−9年。そのうち何回繁殖可能か?
|
| ●松田 |
始めの2、3年は繁殖できない。つまり繁殖可能なのは残りの5年か6年。だいたい1回の繁殖で3羽の雛が育つので1つがいあたり15−18羽 の子ガラスが育つことになる。
|
| ○堂本 |
カラスはどのくらいの距離を飛べるのか。カラスに個性はあるのか?
|
| ●松田 |
発信機を付けての調査では、1日に上野から銀座、赤坂、新宿などを まわってまた上野にもどっている。タグをつけての調査では、目黒に放したも のが神奈川県藤沢まで移動したという記録がある。東京で追い払ったら、高崎 や水戸ぐらいは、移動できるだろう。一羽一羽にも個性があるが、ハシブトは怒りっぽい、ハシボソは狡猾なやつ、 という感じ。
|
| ○堂本 |
被害に遭ったことは?
|
| ●松田 |
私はありません。「ペットが殺された」という報告はある。また、ベランダでひなたぼっこをしている時や公園に散歩に行く時、母親が離れるとカ ラスが乳母車の赤ちゃんを襲う可能性があるので注意が必要。
|
| ○女性 |
カラスの集団構成は?
|
| ●松田 |
多くの場合、2羽でいることが多い。集団で集まるネグラに入ってくるのは2羽単位。カラスは、おしどり夫婦。
|
| ○堂本 |
一番根本的な問題というのは何?
|
| ●松田 | 人間が森を都市に変えたこと。カラスは人間の生活を反映している。今の親ガラス達はバブルの時代にゴミに味をしめたカラス達で、その数は増え すぎているし人間との距離も近くなりすぎた。やはり野生動物とはある程度の距離を保って行く必要があるのではないか。 |